アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

水は命、水を探せ

 「星の王子さま」でサハラ砂漠に不時着したパイロットは、携行していた最後の一滴の水を飲み干すと、喉の渇きを覚える。砂漠で水が無くなるとは、死を意味する。

 

 砂漠で水は命だ。

 

 パイロットと王子は砂漠で井戸を探す。王子は言う。

 「砂漠がきれいなのは、どこかに井戸を1つ隠しているからだよ」

 砂漠には井戸が隠されているという王子の確信のとおり明け方まで歩き続け、二人は井戸を見つける。

 

 が、これは奇跡だ。奇跡はそんなに起こらない。

 

 だから、今も、世界では20億人が安全な水を飲めない。SDGsの目標の一つにも「安全な水とトイレを世界中に」と、掲げられている。ということは、安全な水を飲めない人やトイレで用を足せない人が、世界にはたくさんいるということだ。

 

 サハラ砂漠の周辺国では、毎日、その日の水の確保のため、女性や子供たちが水を井戸や共同の水道栓から家まで運んでいる。重労働だ。

 

「私の一生は水を運ぶ人生だった」と、一人のセネガル人女性は小僧に語ってくれた。

 マリの都市部でも、水を運ぶ女性とそれを手伝う子供たちがいた。

水は重い。水の入った大きなバケツを頭にのせたり、ポリタンクを運んでみると「水は重い」とはじめて気づく。

 砂漠で水は命だ。砂漠だけではない、世界中どこでも水は命だ。蛇口をひねれば、安全な水が手に入る日本の暮らしは、奇跡だ。しかし、この奇跡は世界中、いつでもどこでも水が使えるようになって、もはや奇跡ではなく、当たり前の光景になることが期待されている。

 

 「安全な水とトイレを世界中に」という目標を含む17の目標が設定されているSDGsの目標達成の期限は2030年だ。

 

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