アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

マラケシュの商人

 マラケシュには大きなスークがある。スークとは、市場とか商店街のことだ。マラケシュのスークは迷路である。小規模な商店が軒を接してどこまでも続く。自動車が通れないような道が入り組んでいて、へたをすると迷子になる。アニメ、「アラジン」の世界だ。

 

 観光スポットにもなっていて、コロナの前はあらゆる外国人観光客が訪れていた。また、地元のモロッコ人も多く訪れ、毎日大変な賑わいだ。

 

 香辛料、布、宝石、動物、化石、靴、鞄、あらゆるものが手に入る。値段は交渉で決まる。小僧は東京の生まれなので、値切り文化が希薄な地域で育った。アラブの文化は正反対だ。マラケシュという街は、そうしたアラブの値切り交渉文化の一丁目一番地とも言える場所だ。

 

 

マラケシュのスークに店を構える、スカーフ屋の親父さんと小僧。狭いスペースに大量の商品を陳列している。

 商品に正札(しょうふだ)はついていないことが多いし、付いていても目安に過ぎない。聞けば、値段が提示される。そこから交渉が始まる。どのくらいで決着するかは、人によるのだろう。

 

 このやり取りが楽しくなることもある。値段以外の話に脱線し、お互い親近感を持つこともある。たとえば、「息子は柔道を習っている」とか、「日本に行ったことがある」とか。え?これもセールストーク?いいえ、心から打ち解けて話していたこともあると思います。

 

 モロッコでも日本でも、相性(あいしょう)がいいとか、悪いとか、あるのだと感じる。どの国の買い物でも、売り手と買い手の相性が影響するし、スークでも同じだ。

 

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