アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

モレシャンのイチゴとシャンペン

 朝日文庫「わが家の夕めし」には、フランソワーズ・モレシャンさんの夕飯も収録されている。食卓には、シャンピニオンサラダ、トマトとシソの葉のサラダ、ラムチョップ、クレソン、イチゴとシャンパンが並んでいる。

 

昭和53年(1978年)、たとえ当時の日本が豊かになっていたとしても、この食卓の美しさは金では買えないフランスの文化を感じさせる。(写真、朝日文庫「わが家の夕めし」186ページ)

 写真が撮られた昭和53年(1978年)の日本で、クレソンやシャンペンを口にしたことのある庶民がどのくらいいただろうか?窓に掛けられたスダレやテーブルクロス、イチゴの出し方もおしゃれな空間を作っていて、当時この写真を雑誌「アサヒグラフ」で見た読者は、写真の隅々まで注意深くチェックしたと思う。

 

 日本人があこがれるフランスの食とオシャレの文化が、見事にコーディネートされていると、小僧は感じるがいかがでしょうか?当時珍しかったクレソンやシャンペンも、今や近所のスーパーでも見かけるようになって、時代の変化を感じる。

 

 モレシャンさんはパリで日本語を学んで、小僧が小学一年生の1958年に初来日、NHKテレビなどでフランス語の先生をつとめ、1964年にいったんフランスに帰国した。その後、1974年にシャネルの美容部長として再来日したが、その後の活躍はテレビや雑誌などで、多くの人が知っていると思う。

 

 日仏という二つの国の文化を理解し、ちょっと癖のあるしゃべり方で、私たちに二つの国の文化の素晴らしさを教えてくれるモレシャンさんは今もご健在のようだ。いつまでも、お元気で!

 

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