ゆっくり見たい映画、「秋刀魚の味」

お題「ゆっくり見たい映画」

　今日は12月23日土曜日、今年も後9日だ。

　年末、大掃除や買い物であわただしい日々に、あえて「ゆっくり見たい映画」がある。小津安二郎監督の映画だ。

　いつもの年末は、ネットで小津映画を観ているが、今年はNHKBSで「秋刀魚の味」を放送するようだ。すでに録画予約済みだ。

　小津映画の落ち着いた画面や話のテンポが好きだ。特に年末のあわただしい時期に、自分だけ別世界に籠って、小津映画を見る、なんて贅沢なことだろう。

　「秋刀魚の味」は何度も見ている。複雑なストーリーがあるわけではない。いつもの通り、娘の結婚話だ。父親の友人たちが集まって、ビールや日本酒、ウイスキーを飲みながら、どうでもいい話を続けて行く。そう、我々の日常生活そのものである。

　会話の一部始終を暗記しているが、なぞる様に映画を見るのだ。よき昭和の日本語、風景、表情があふれる映画だ。主役、笠智衆のように喋る日本人が今、いるだろうか？

　年末、皆が忙しそうに動き回る時に、「秋刀魚の味」をじっくり見たい。

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